算数と数学

 

 「人生で大事なことは算数から学んだ」というと極端に聞こえるかも知れませんが、科学的アプローチ手法を基本にした、

   問題の本質を把握する。

   仮説を立てる。

   仮説の演繹を行う。

   演繹を実験する。

   結論を導く。

といった数理思考の流れは人々に対しても解り易く、また自己整理の方法としても最適なものです。そもそも算数と言う科目が発生したことの目的が単なる読み書き算盤の延長ではなく、論理的に考え、表現すると言うところにあったのですから、当然です。

過去、「日本人は世界で最も優れた数理脳力を有する民族だ」と言われてきたのですが、学習指導要領の改訂の中、理数系科目の学習時間の削減の変遷のなか、学力の目を覆うばかりです。このままでは日本の経済を支えてきた日本の技術も、民族の伝統も廃れしまうのかと憂慮してしまいます。

私どもKIS数理科学研究所は1983年より東大算数研究会と共同で、小学生・幼児を対象とした「算数で人生を学ぶ」「楽しい算数」をテーマに医学と教育学の二つの側面から研究を続けてまいりました。

 

「算数」と「数学」の違いは一般的に「数学」は便利な道具の使い方を教えているのに対して、「算数」とはその前段階での人生の必要な知恵を内包しているということです。敏感期を考えるとまさに「子供の時にしか出来ないこと」「子供の時だからできる事」の一つであろうと考えます。

 

論理力・思考力を養うことで、算数のみならず、すべての学力、人間としての力が向上することが、これまでの活動の中でわかって来ました。その算数の基礎を明快に、楽しく指導したいと考えています。